伊勢神宮(-JINGU-)◆ 忌火屋殿(IMIBIYADEN)

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伊勢神宮(-JINGU-)◆ 忌火屋殿(IMIBIYADEN)

↑伊勢神宮・内宮「忌火屋殿」伊勢神宮・内宮「忌火屋殿」 ↑伊勢神宮・外宮「忌火屋殿」⬆伊勢神宮・外宮「忌火屋殿」

建築様式(造り)

  • 切妻造
  • 平入
 屋根造り

  • 二重板葺き

 忌火屋殿の読み方

「忌火屋殿」は「いみびやでん」と読みます。

忌火屋殿の「忌火」の意味

忌火(いみび)」と聞いて「忌」という字を頭に思い浮かべてしまい、不吉な影が脳裏をよぎる方もいると思います。

現代では否定的に受け取られる「忌(いみ)」という言葉ですが、元来、「神聖な物」や「神聖な場所」などを指す、「清浄」を意味する言葉とも伝えられています。

そして「忌火(いみび)」とは、「神聖で清められた火」という意味になります。




伊勢神宮・内宮/外宮「忌火屋殿」の役割り

「忌火屋殿」とは「神様に食事を捧げるための台所のこと」で、毎日、朝と夕方の2回行われる大御饌祭(おおみけさい)の折、神様へお供えする料理を調理しています。

忌火屋殿は、内宮と外宮の境内に1つずつあります。

内宮の忌火屋殿は主に重要な祭事(神事)の時のみに使用されます。

また、三節祭(さんせつさい)の折は、ご神前にお供えする「白酒(しろき)」、「黒酒(くろき)」、「醴酒(れいしゅ)」といったお酒が仕込まれます。

「三節祭」とは例年執り行われる「神嘗祭(かんなめさい)」と 6月と12月に斎行される「月次祭(つきなみのまつり)」のことを指します。三節祭は伊勢神宮における重要な位置づけの祭事となります。

忌火屋殿は、他に大御饌(おおみけ)や祭事の時に、お供え物を調理する台所として使われています。

忌火を作る方法(発火の方法)

忌火を作る時は、そこら辺に転がっている紙を見つけて、ライターをカチャカチャとさせて適当に点火して火を起こします。

・・などと言うのは、通常の現代人が思いつく発想です。

忌火を起こすのも重要な儀式となりますので、火を起こすのも大昔から踏襲される手法に則り、神聖で清浄さを宿した火を起こさなければなりません。

火の起こし方は古来、変わることなく「火鑽杵(ひきりぎね)」と呼ばれる「ヤマビワの木の棒」を用意します。

さらに「ヤマビワの木の棒」の先端から下へ向けて、紐をネジりながら、棒に巻き付けていきます。

ちなみに、この形状の道具は「登呂遺跡(静岡県)」から出土した縄文時代の道具と同じ造りの道具になります。

古来からの火の起こし方とは、「火鑽杵(ひきりぎね)」と呼ばれる「ヤマビワの木の棒」を用意します

そして、「ヒノキで作った火鑚臼(ひきりうす)」と呼ばれる「木の板」を用意して、この棒とコスり合わせます。

↑火鑚臼⬆火鑚臼

コスると当然、摩擦熱が発生するのですが、同時に摩擦で焦げた木のカスが下に積もりはじめます。

その焦げカスを、あらかじめ用意しておいた「細かく砕いた粉末状の木クズ」の上へ乗せて、口から酸素を送り込みを発火させるのです。

よく原始時代のアニメや映画で出てくる火の起こし方ですね。

このような発火の方法を「舞錐式発火法(まいきりしきはっかほう)」といい、何も伊勢神宮に限ったことではなく、他の神社でも見ることができます。

例えば、出雲大社では、例年11月の下旬に執り行われる「古伝新嘗祭(こでんしんじょうさい)」の折、熊野大社で起こされた「忌火」を使用して神様へのお供え物を調理しています。

古式を重んじる神社さんであれば、これら一連の火起こしする作業を、1つの「儀式」と位置付けて「鑽火神事(きりびのしんじ)」と呼び習わしています。

この神事は主に3人の神職が当番制で行っておりますが、「雨の日」や「梅雨の季節」は、強い湿気により、なかなか火がおこせませんのでコツのようなものも必要になります。

伊勢神宮では、主に外宮で毎日、斎行されている「日別朝夕大御饌祭」をはじめとして、内宮の「忌火屋殿」でも「宮社(ぐうしゃ/神宮内のお社の事)」の御饌を調理しています。

なお「忌火屋殿」で調理する神職は、必ず前日から心身を清める「斎館(さいかん)」にこもって、心も身体も清浄に清めた上で儀式を行います。

「日別朝夕大御饌祭」

毎日、朝と夕方に執り行われる「日別朝夕大御饌祭」は、およそ1500年前より毎日行われています。

別名「常典御饌(じょうてんみけ)」とも呼ばれるこの神事は、以下↓の日時で執り行われます。

  • 朝御饌(あさみけ)」:朝8時に開始。
  • 夕御饌(ゆうみけ)」:夕方16時に開始。

冬季は日の入りと日没の時間帯が変わりますので、「朝御饌」は朝9時から開始されて「夕御饌」は夕方15時に執り行われています。

そして、驚くことになんと!調理をするのに1日4時間以上もかかるそうです。

神様へお供え物する「御饌」の料理内容(メニュー)

神様へのお供え物の「御饌(みけ)」の料理の主な内容は、まず、「ご飯」「鰹節(かつおぶし)」「タイなどの魚介類」「昆布やヒジキなどの海藻類」その他、「季節の野菜」などを調理します。

神様へお供え物する「御饌」の料理内容(メニュー)画像引用先:https://ameblo.jp/hajikamijinja/

そしてさらに、「御塩」「御水」「清酒」を用意し、「辛櫃(からひつ)」という入れ物に入れて「板垣内(いたがき/正宮の内側)」にある「御饌殿(みけでん)」まで運びます。

運ぶ際は、さらに身を清めるために、「祓所」にて「御塩」で祓いを受けてから御饌殿へ向かいます。

御饌殿では、運び入れた御饌を天照大御神にお供えします。




伊勢神宮・内宮「忌火屋殿」の場所(MAP)

内宮の「忌火屋殿」は、第二鳥居をクグって、神楽殿前を通り、その先の左側にあります。

伊勢神宮・外宮「忌火屋殿」の場所(MAP)

外宮の「忌火屋殿(いみびやでん)」は、北御門(きたみかど)参道の鳥居をくぐって右側にあります。

伊勢神宮 内宮・外宮の「オススメの参拝ルート」

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