伊勢神宮(-JINGU-)◆ 御贄調舎(MINIE-CHOSHA)

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伊勢神宮(-JINGU-)◆ 御贄調舎(MINIE-CHOSHA)

伊勢神宮(-JINGU-)◆ 御贄調舎(MINIE-CHOSHA)

創建年

  • 不明
建築様式(造り)

  • 切妻造
  • 平入
屋根の造り

  • 二重板葺

 御贄調舎の読み方

神宮には少し読み方が分かりにくい社殿などがあります。そのうちの1つがこの「御贄調舎」です。

御贄調舎の読み方は「みにえちょうしゃ」と読みます。

「御贄調舎」の名前の意味とは?

伊勢神宮境内の社殿群において、あまり聞き慣れない名前の1つにこの「御贄調舎」があります。

御贄調舎の「御贄」とは、「贄(にえ)」に”御”を付した敬称になります。「贄」とは神や天皇に供える食事のことです。

「調舎」とは調理を行う建物のことを指します。

これらを神宮風にまとめると、「神様に捧げるための食事を調理する場所」という意味合いになります。




「御贄調舎」の役割と歴史や由来

内宮の正宮にむかう石段の下に「衝立(ついたて)」もしくは「蕃塀(ばんべい)」があります。

衝立や蕃塀とは、日常の生活を営む上ではあまり聞きなれない言葉とはなりますが「壁(柵)」のことです。

御贄調舎(みにえちょうしゃ)」は、その衝立の後ろ側にある「板葺(いたぶき)」の建物です。

この建物の南には神様がお宿りになっておられるという神聖な石積みの「神座(しんざ)」があります。

神座は石神を祀る磐座でもある

神聖な石積みの「神座(しんざ)」 (2)

内宮の祭典の前には、石神の依代でもある石積みの神座にて、神様に供える食べ物「御贄(みにえ)」の代表格のアワビを調理する儀式が執行される。

のため上述したように「御贄調舎」という名前が付されています。

神様へアワビを捧げる方法

内宮の祭典の前には、神座に「豊受大御神(とようけのおおかみ)」を招いて、その前で神職の課長相当にあたる「権禰宜(ごんねぎ)」が、神聖で清浄な「箸(はし)」と「忌刀」で、刻みを入れ、御塩を加えて天照大御神にお供えします。

豊受大御神は外宮の御祭神ですが、天照大御神のお食事を司る神様のため、この儀式に招かれるのです。

その昔は、五十鈴川に砂などが堆積(たいせき)してできた「島(中州/なかす)」があって、そこに木の皮のついたままの黒木の橋を架けて、アワビを調理する儀式を行っていました。

その頃は、「檜(ひのき)」で編んだ「籠(かご)」に入れたアワビを川の水で洗い清めたのです。

しかしその後、川の流れが変わって中州もなくなり、また、明治維新以後は川の水でアワビをすすぐことも改め直されました。よって現在は川水で洗うことはされていません。

【補足その1】神様の食事は1日2回!

少し話は逸れますが、神様の食事は朝と夕方の2食とされています。

外宮では毎日、「日別朝夕御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)」という神事を執り行い、朝と夕方の1日2回、神様へ食事が供進(お供え)されています。

現在はどうか分かりませんが、本来は「生モノ(その日に獲れた新鮮な物)」や、その生モノに火(忌火)を入れたものがお供えされました。忌火に関しては今でも燧杵(ひきりぎね)を用いて火を起こして、その火を用いて調理されています。

外宮の調理場は忌火屋殿(いみびやでん)という名前の姿形が、この御贄調舎と似たような建物になります。

神様の食事が1日2回である理由

元来、人間の1日の生活のリズムは朝と夕方の2食が基本でした。

つまり、神様の食事も人間の生活のリズムと合わせて朝と夕方の2食であったとされています。

これらは人が生活を営む上で食事の際に神様に感謝の意を込めて、お供えしていた行いが、そのまま儀式として踏襲され、幾世代も語り継がれて今日に至っているものと考えられます。




【補足その2】神様のお供物「神饌」について

神様へのお供え物として、「神饌(しんせん)」という言葉が良く出来てきます。神饌とは神様へのお供え物のことを意味します。

あなたが、神様へのお供え物として、真っ先に頭によぎるイメージって何でしょう?

恐らく、饅頭(まんじゅう)だとか、お米、お水、お酒、榊(さかき/木)、などといった物ではないでしょうか?

一般的にあまり知られていませんが、実は「神饌」というのは、本来はその日に獲れた新鮮な「生モノ」を指し、それらを捧げることで、明日の家族と我が身の守護をお願いするためのものでした。

もし、あなたのご家庭に神棚がある場合、その日1日を無事で終えられたことによる感謝の意を述べると共に、たまには生モノ(魚介類)や、火で炙った物を捧げてみても良いかもしれませんね。

お供えしたものは、そのままにしておいては腐ってしまいますので、就寝前や翌朝のお供えの時に引き上げて、冷蔵庫などへ保管し、翌日の一家団欒の席でありがたく頂戴してください。

※気温が高い夏場などは必ず火を通してください。

お供えした物は神様の御神徳がお宿りしていますので、粗末に扱わずに、ありがたく家族でいただくようにします。

御贄調舎の場所(地図)

内宮の正宮にむかう石段の下の奥にある壁面がなく吹き放ちの「板葺(いたぶき)」の建物です。

内宮のオススメ参拝ルート

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