伊勢神宮(-JINGU-)◆ 御手洗場(MITARASHIBA)

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伊勢神宮(-JINGU-)◆ 御手洗場(MITARASHIBA)

「御手洗場」の読み方

「御手洗場」の読み方は「みたらしば」と読みます。

御手洗場は「御」と「手洗場」の2つに分けることができます。手洗場(てあらいば)とは手を洗う場所のことです。

手洗場に敬称で「御手洗場」と呼んでいることにな〜る。

伊勢神宮の「御手洗場」の歴史・由来

御手洗場は、神路山(かみじやま)と島路山(しまじやま)を水源とする五十鈴川(いすずがわ)の川岸に築かれた、踏み面の面積が広い石階段が御手洗場になります。(⬆️写真参照)

この石階段、すなわち「御手洗場」は、1692年(元禄5年)に徳川綱吉の母「桂昌院(けいしょういん)」が寄進(寄付)したものだと伝えられています。

川辺に信玄堤(しんげんつつみ/山梨県甲斐市竜王)のような石段が4段に渡って階段のように組まれており、一番したの段まで行って手を洗うことができます。

ちなみにこの御手洗場は伊勢神宮・内宮(皇大神宮)だけに設けられているもので外宮にはありません。

桂昌院といえば、江戸期における東大寺大仏殿再建に尽力した人物の1人であり、一方で後の世では江戸幕府の財源を私財同様に捉え、神社仏閣の再建や造営のために浪費し、江戸幕府の力(財政)を弱めた人物としても知られています。




五十鈴川とは?

五十鈴川は、神話では、倭姫命(やまとひめのみこと)が衣服のすその汚れをススいだことから「御裳濯川(みもすそがわ)」とも呼ばれている川です。

自動車メーカーの「いすゞ(ISUZU)」の名前はこの五十鈴川が由来とされ、さらに日本海軍の軽巡洋艦「五十鈴」や、海上自衛隊の護衛艦の「いすず」も、五十鈴川にちなんで命名されたようです。

御手洗場とは?

「御手洗場」は、五十鈴川の淵(ふち)まで降りることができて手を洗えます。

水で身体を清める禊(みそぎ)は、イザナギノミコトが「黄泉の国(よみのくに)」から戻った時に身体を清めたのが始まりとされています。

一昔前の参詣者は、ここの「ゆるやかな石だたみ」を下りて、きれいな川の水で手と口をすすいで心身を清めて参拝に向かいました。しかし現在は後方に手水舎が設けられている関係で、御手洗場を素通りする方が多いのも事実です。

御手洗場で手を洗う際は水を飲まないように注意してください。現在と一昔前とでは川の水質も異なり、多少なりとも有害物質が含まれています。

宇治橋がなかった頃は五十鈴川に入って内宮へ参拝していた?!

現在は内宮の出入口に宇治橋が架橋されていますが、このような橋が内宮宮域に架橋されたのが、文献上の記録を見るかぎり、1190年代(建久年間/鎌倉時代)が初出になります。(参考文献「皇太神宮年中行事」)

また、この当時は橋梁を建てることはできても技術不足によって維持することが困難な状況にあり、たびたび倒壊しては流されたそうです。

では橋がないのに昔の人々はどうやって内宮へ参拝していたのか?‥というと、なんと!五十鈴川へそのままドボンっ!と、入ってそのまま川を渡って内宮へ参拝していたようです。

ある意味、別の見方では清流・五十鈴川に全身を浸すことによって穢れ(けがれ)や汚れを落とすことができ、川から出た時には清浄感に満たされた状態が出来上がり、それから内宮へ詣でるのが、当時のオーソドックスと呼べる参拝方法であったのかもしれません。

明治天皇もこの御手洗場と五十鈴川の有り様を見てこんな詠歌を詠んでおられます。

国民もつねに心をあらはなむ御裳濯川の清き流に また川柳子(せんりゅうし)も五十鈴川のみそぎのことを 人間のせんたくをする五十鈴川 

地元民が今でも信仰する「五十鈴川の川水のご利益」

地元では、夏の土用の丑の日(うしのひ)と8月1日に、ここで水を汲んで滝祭神の神前にお供えして、お祈りしてから家に持ち帰って神棚に供えると一年間、「家内安全・無病息災(むびょうそくさい)」で過ごせるそうです。

また、体に痛いところがあれば、この水をつけるそうです。

特に「脚気(かっけ)」には効果大で、今でもこの信仰はあるそうです。

脚気とは?

脚気とは、心不全や手足のシビレが常態化した症状ことです。




【補足】「みたらし団子」と「御手洗場」

よくスーパーや祭りの屋台などで見かけることのできる「みたらし団子」ですが、漢字で正式に書くと実は「御手洗団子」と読みます。

「御手洗団子」の由来は、下鴨神社の行事「御手洗詣(祭り)」が語源になっていると云われています。

これはどのようなお祭りかと言いますと、「御手洗祭り」の行事で使用する「御神水」を授かることで、「無病息災」や「延命長寿」のご利益があると伝承されています。

下鴨神社とは?

京都市左京区に現存する神社です。本来の名前を「賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)」と読みます。世界遺産(古都京都の文化財)に登録されているお社です。

そして、このお祭りの最中、境内にて団子が売られていたことで、いつしか「御手洗団子」と呼称されるに至っていると云われています。

古来より「水」は神々が依り代としてお宿りしやすいと云われています。

同様に、五十鈴川が神宮の神域を通り、神々の力により清められているとされ、この川に手を洗う場所を造り「御手洗場」と呼称されるに至っていると思われます。

伊勢神宮(内宮)の御手洗場の場所(地図)

宇治橋を渡って右へ、少し進むと川辺に石が敷き詰められた階段が設置されています。

伊勢神宮・内宮(皇大神宮)の「斎館」付近の「一の鳥居」の近くにあります。

内宮のオススメ参拝ルート

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