伊勢神宮の御朱印の「歴史・由来」と過去の御朱印との因縁

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伊勢神宮の御朱印が現在の形になったのは、おおよそ昭和10年代前半と言われています。

「えぇっ?!」と、思われた方も多いと思います。

つまり、伊勢神宮の御朱印は昭和の時代に入るまでは、別の形をしていました。

伊勢神宮の御朱印は、昭和に時代より前の時代では以下のような形式の「丸印」でした。

伊勢神宮の御朱印は、昭和に時代より前の時代では以下のような形式の「丸印」でした。

この丸印が昭和・平成の時代に入ると、現在の伊勢神宮の御朱印でお馴染みの「四角い御朱印」に改められることとなります。

  • 内宮参拝」の丸印⇒「内宮之印
  • 外宮参拝」の丸印⇒「外宮之印

伊勢神宮の御朱印の「歴史・由来」と過去の御朱印との因縁↑現在(平成・昭和)の伊勢神宮の御朱印

 

実はこのような御朱印の形の変化には、深い歴史的背景があり、以下でご紹介するような歴史を歩む中で、現在の伊勢神宮の御朱印の形に行き着くことになります。

そもそも、「御朱印」の始まりっていつ??「御朱印」と呼ばれる理由って??

御朱印の始まりは江戸時代と言われており、もともとは、自らが写経した経典を神社仏閣に奉納し、その証明として寺院から受け取った証文書である、「納経帳」だったと言われています。

御朱印と呼ばれるようになったのは、墨書(墨で書いた御朱印の文字)が書かれている、書かれていないに関係なく、紙面の中央に押印する朱印を中心的要素とすることに由来して、ありがたい印と言う意味合いを込めて「御朱印(ごしゅいん)」と呼ばれています。

これは、その朱印が、その寺院の「御祭神」や「御本尊」の象徴であることを意味しています。

昔の「御朱印」の別の呼び名って?

ただ、当時の「御朱印」と言えば、幕府が公式に押印した朱印を差し、現在のような単なる寺社の参詣の証明となるものについては、特に呼び名はありませんでした。

特に江戸時代は、一般庶民が朱印を使用する事すら許されていませんでした。

現在のように、参詣の証を「御朱印」と呼ぶようになったのは、昭和に入ってからで、「手印」と言う言葉を誤って「朱印」としたのが、いつの間に広まっていったのが、由来のようです。




空前のスタンプブームと御朱印

話しは変わって、これは昭和の初期の頃のお話です。

この頃、空前の「スタンプブーム」が起こります。

この空前のスタンプブームとは、分かりやすく言うと、「駅」や「郵便局」のスタンプをコレクションする事です。

昭和初期のスタンプブームの火種

昭和初期のスタンプブームの火種となったのは、昭和の初期のバブル時代と言われる日本の産業革命に火がつき始めた頃、日本は好景気で「旅行ブーム」が出来きていました。

旅行に行くとお土産を買います。

そのお土産の中には、その観光地の絵葉書を書いて、友人や恋人・家族に絵葉書を送るといったいわゆる「絵葉書のお土産」が流行しました。

その際、郵便局は観光地の支局に、その観光地だけの記念スタンプである「名所スタンプ」と呼ばれるスタンプを作成して絵葉書に押印しました。

昭和初期のスタンプブームの火種

これらはちょうど昭和6年の頃のお話です。

そして、旅行ブームも重なり、スタンプの認識は広まり、いつの日か他の人よりも、より多くのスタンプをもらおうと、皆が必死になってスタンプ収集をするようになりました。

つまりスタンプが「大流行」したと言うわけです。

「御朱印」に「墨書き」が入った理由

「御朱印」に「墨書き」が入った理由そして、寺社の御朱印も、そんなスタンプ類と同等に見られました。

寺社の神聖なる御朱印を、そのように軽く扱われる事について、当時の神道界・仏教界は当然のように問題視していました。

そして、その頃から、寺社で押印する御朱印についての意義を確立しようとする動きが出てきました。

その動きとは、御朱印に「筆(墨書き)」を入れ、朱印の形を各々の寺社で改めることで、「単なる印」などではなく「神聖でありがたい朱印」だと言う認識を多くに広め、その結果、現代の御朱印の形式に移り変わって行くこととなるのです。

そのため、現在の神社やお寺などでいただく御朱印は、ほとんどと言っても良いほど「墨書き」が入っています。

しかし、平成に入った現在でも「御朱印ブーム」や「御朱印ガール」と言うような一種の流行が発生しています。

あなたも忘れてはいけませんよ。

くれぐれも御朱印と言うものが、「神聖でありがたい朱印」だと言う認識を忘れずに、素行正しくキレイな心で御朱印をいただいてください。

ただし御朱印は、「忘れられない大切な過去の思い出」とも言いかえることができるのも事実ですけどね。

伊勢神宮の御朱印の左端の蛇のようなマーク(記号)の意味

伊勢神宮で御朱印をいただくと、左下の一番下の文字(記号)のようなものが入っているのは見受けられます。

↑月讀宮「印」

これは、記号とかマークの類のものではなく「印」という字です。

この字体は、古代・中国の「秦(しん)」で、正式に使用されていた「篆書体(てんしょたい)」という漢字です。

現在の漢字の起源は一説では、始皇帝がまとめさせたこの”篆書”が起源だと云われており、格式と伝統を重んじる伊勢神宮だからこそ、この篆書体を採用しているものとだと考えられます。

尚、伊勢神宮の内宮の御朱印の読み方は「内宮之印」です。同様に外宮の御朱印では「外宮之印」と書きます。

⬆内宮(皇大神宮)の御朱印
⬆外宮(豊受大神宮)の御朱印




篆書体は意外なところで頻繁に使用されている❗️

この篆書体、実は近代化された現代においても、意外ところで使用されています。

どこだかお分かりになりますか?

正解は「旅行券(パスポート)」です。

この字体は、古代・中国の「秦(しん)」で、正式に使用されていた「篆書体(てんしょたい)」という漢字です。パスポートをお持ちの方は、ぜひ、表紙を見てみてください。

伊勢神宮の御朱印の種類や授与場所に関しての詳細は以下のページにてご紹介しています。

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