伊勢神宮(-JINGU-)◆ 宇治橋の鳥居・一の鳥居・二の鳥居(NAIKU-TORI)
鳥居の大きさ
- 高さ:約7.44m
木の周囲
- 直径:約75cm
鳥居の形状
- 伊勢鳥居(神明鳥居)
重さ
- 総重量:約5トン
外宮での参拝が終わって束の間、いよいよ大御神の御座す「本宮(御正宮)」へのお参りが始まります。
まさにお伊勢参りはここからがスタートです。
次の心の準備を整える暇もなく、参拝者をさっそく出迎えてくるのが、内宮の神域を守る門とされる「宇治橋の鳥居」です。
宇治橋を渡って右手へ進み、やがて眼前に飛び込んでくる「手水舎」の向こうには、ドッシリと参拝者をニラみつける鳥居が現れます。これが「一の鳥居」です。
さらにそこから、直進して大御神の御座す(おわす)、御正宮へ足を進めると、やがて最後の関門とも言うべき「二の鳥居」が立ちはばかります。
さらに、二の鳥居を抜けて神楽殿のあたりまでくると向こう側に鳥居とその後ろに橋がウっすらと見えますが、これが「風日祈宮橋の鳥居」と「風日祈宮橋」です。
伊勢神宮・内宮の「宇治橋の鳥居・一の鳥居・二の鳥居」の形状
内宮の鳥居の種類は、すべて「神明鳥居」と言われ、その中の種類の1つである「伊勢鳥居」と呼ばれる見た目は単純な「素木組みの鳥居」となります。
伊勢神宮の鳥居の形状は、すべて「伊勢鳥居」で統一がなされておりますので、大きさや寸法も若干の違いはあれど、基本的に同じです。
伊勢神宮内宮の参道の鳥居の数
伊勢神宮の内宮の参道には大きく見て鳥居が3本あります。
それが、「宇治橋の鳥居・一の鳥居・二の鳥居」の3本です。
しかし、厳密に言うと6本の鳥居があります。
6本とは、以下↓の通りです。
- 宇治橋の鳥居:橋のたもとの前後に1本ずつの計2本
- 一の鳥居
- 二の鳥居
- 風日祈宮橋:宇治橋と同様に、橋のたもとの前後に1本ずつの計2本
遷宮後の外宮の鳥居で使用される木材と遷宮後の行方
地元の人以外は、あまり知る人は少ないのですが、実は、伊勢神宮の内宮の「宇治橋」の鳥居は、神域側と入口側とで、特定の場所の木材が使用されているのです。
神域側の鳥居は、「旧・内宮の御正殿の棟持柱を約2.5cmを削って使用している」ようです。
一方、入口側の鳥居は、「旧・外宮の御正殿の棟持柱が同様に削られて使用されている」ようです。
実は、これで終わりではなく遷宮の後には、また行き先があって、入口側の鳥居は三重県桑名市の「七里の渡し場跡」の鳥居にとして、新たな生を得るそうです。
七里の渡し・伊勢国一の鳥居建て替え奉祝祭(お木曳行事)
上述した桑名市でも神宮の遷宮時には、一大イベント(行事)があります。
それが「七里の渡し・伊勢国一の鳥居建て替え奉祝祭(お木曳行事)」という行事です。
おおよそ2000人で、鳥居を「七里の渡し」まで運ぶ儀式になります。
伊勢への入口、東の追分・鈴鹿関(関宿)の門
一方、神域側の鳥居は、三重県亀山市の「関宿」の通りの鳥居として新たな生を得るようです。
亀山市の関宿は、江戸時代の東海道と伊勢街道への分岐する地点に造られた宿街で、ここから伊勢の国という意味合いで「鳥居」が建てられるようです。
↑亀山市・関宿(東の追分・鳥居竣工式) 引用先:http://www2.jingu125.info
なお、「東の追分」と呼ばれるこの「関宿」は、江戸時代では「鈴鹿関」と呼ばれおり、現在では、亀山市の重要伝統的建造物に指定されています。
気になる方は、お伊勢参りのついでに、こちらへも足を運ばれてはいかがでしょうか。
伊勢神宮の鳥居の両側にある「榊の枝」の意味と由来
伊勢神宮では、「狛犬」や「鈴」、「注連縄(しめなわ)」はありませんが、「榊(さかき)」は、色々なところに使われていて、主に、鳥居の柱の両側に「榊の枝」が上向きに「紐(ひも)」で据え付けてあります。
そもそも、榊の意味合いとは、俗世と神域などの「境界」を司る意味合いや、国家繁栄の「栄える」の言葉が、時代の流れと共に推移して「榊」と呼ばれるようになったと云われております。
これはつまり、榊が「境木(さかき)」に通じるものとされているためです。
つまり、ここでの榊の意味合いとは、「神域への境界」「神域を守る」「神域と俗世を隔てる結界」などの意味合いが強いと思われます。
他にももう1つ由来があり、榊は葉の色がどの葉も均一で、極度に異なりを見せないことから、これは永久不変の心を示す証として「神様への変わらぬ信仰心をも意味する」と云われております。
【豆知識その1】「明神鳥居」と「神明鳥居」
「明神鳥居」
鳥居は、上部にある二つの横柱を2本の柱で支えて立っている形をしていますが、この形を作りあげるのに、細かい構造をみると色々なものがあります。
それを大きく2つに分類すると、「明神鳥居(みゅうじんとりい)」と「神明鳥居(しんめいとりい)」に分けられます。
「明神鳥居」は、最上部は「笠木(かさぎ)」と「島木(しまぎ)」を重ねた二層構造を採用しています。
そして、この笠木の両端は反り上がった形をしていることが多く、二層構造の横柱と、その下にある横柱との間の中央部には、「額束(がくつか)」という額が取り付けられています。
「明神鳥居」は、このように「装飾的な要素を多く取り入れた構造」で造られています。
「神明鳥居」
これに対して「神明鳥居」は、シンプルな構造で、最上部の笠木は二層ではなく、島木を使わないで一つの柱で作っています。
そして、反り上がり構造は用いないで、直線的な形のものにしています。
又、笠木や、「貫(ぬき)」という笠木の下の少し下にある横柱と、2本の立柱は円形をしていることが多いそうです。
伊勢神宮にある鳥居は、島木はなく、笠木の反りもありません。
そして額束もないことから、「神明鳥居」に分類されると思います。
伊勢神宮の鳥居の特徴は、「笠木が5角形」をしていて、笠木の両端が斜め下に切り落とされている形をしています。
また、貫という横木が立柱を突き抜けていない構造で、貫と立柱には楔(くさび)が打ちこまれて固定されているという特徴があります。
【豆知識その2】鳥居が日本史上にいつ頃登場したのか?
鳥居の起源については多くの説があり、未だ謎が多いのですが、おおよそ西暦800年から900年頃には、鳥居の祖先とも言えるべき、木組みのような物が建てられていたと云われています。
宇治橋で見る幻想的な「初日の出(日の出)」と日が昇る頃合と時間
宇治橋を語る上で忘れていけないのが、「日の出(初日の出)」です。
神宮参拝の話を伊勢参りのツウなベテランから伝え聞くとき、「早朝参拝」という言葉をよく耳にすることがあります。
なぜ、早朝参拝が良いのかというと、1番の醍醐味は宇治橋から見ることのできる「日の出」を見れるからだといいます。
まだ薄す暗く、参拝客も少ないので、まさに「日の本の一」とも呼べる絶景の日の出を独り占めしたような気分になれるといったことでしょうか。
なお、宇治橋の写真でよく見かける「鳥居の中央部分からの日の出」が見られるのは、「12月20日以降から1月7日頃」の、「朝7時から7時30分にかけて」だそうです(冬至)。
伊勢をよく知る地元の人の話によれば、冬至になると、この宇治橋(宇治橋の鳥居)から朝日が昇り、満月は二見興玉神社の夫婦岩の間から現れるとのことです。
また、何の因果か、夏至になれば今度は逆に夫婦岩の間から朝日が昇るそうです。
ただし、正月の初詣や元旦には、初日の出を見ようと、日本全国から多くの方が押し寄せますので、他の参拝客で見えない恐れがあることだけは、念頭に置いておかなければなりませんね。…エッへん。
伊勢神宮・内宮(境内)のおすすめの参拝ルート
スポンサードリンク -Sponsored Link-
当サイトの内容には一部、専門性のある掲載がありますが、これらは信頼できる情報源を複数参照して掲載しているつもりです。 また、閲覧者様に予告なく内容を変更することがありますのでご了承下さい。