伊勢神宮(-JINGU-)◆ 五十鈴川(ISUZUGAWA)
川の長さ
- 全長約20km
水源
- 剣峠(神路山/三重県伊勢市宇治今在家町)
河川等級(河川法)
- 一級河川
別名
- 御裳濯川(みもすそがわ)
五十鈴川の読み方
五十鈴川は「いすずがわ」と読みます。
「五十鈴川」の別名
別名で「御裳濯川(みもすそがわ)」とも読みます。
「五十鈴川」の名前の由来
五十鈴川の呼称の由来ですが、一説では川のせせらぎの音が「いすす~♪、いすす~♪」と、聞こえることから「五十鈴川」と呼ばれるようになったと云われております。
御裳濯川の名前の由来
まず、「御裳濯川」の「御裳」とは詳しくは「裳(も)」のことで、これは宮殿に使える女性が身に付けた腰から下げる衣装のことを言います。
この裳に敬語の接頭語である「御」を付して「御裳」とし、また「濯」は洗濯機の「濯」であり、これは「濯ぐ(すすぐ)=洗う」を意味します。
以上のことを交えて御裳濯川の呼称の由来ですが、なんでも天照大御神の御発意で自らを連れ出すよう仰せつかった「倭姫命(やまとひめのみこと)」は、旅の果てにこの伊勢に着き、この五十鈴川で御裳を濯いだそうです。
そんな由来から御裳濯川と言う名前が付されたようです。
「五十鈴川」の歴史(水源)や由来
「五十鈴川(いすずがわ)」は、三重県伊勢市を流れる川で、源流(水源)は「神路山(かみじやま)」or「鳥路山」になります。
源流付近は、小さな滝が連続してあるような急な流れで、ゴツゴツとした岩があるところですが、この岩を照葉樹と杉の林が覆っているような林になっています。
また、この付近では、春には赤いツバキ、初夏には藤の花が咲いて自然に恵まれた光景が見られます。
まさに清流にふさわしい源流です。
島路(しまじ)山を源流とする島路川が合流する付近に内宮があって、内宮は西側と南側を五十鈴川と島路川に囲まれた地形に位置しています。
内宮にとって五十鈴川は清浄なる川であり、御手洗場(みたらしば)では、この水で心身を清めることが勧められています。
そして、ちょうど御手洗場の少し上流の落合(おちあい)の河原あたりで二条の河川が合流し、神域の西側を流下し、宇治橋の下を通り抜けて北流、その下流ではさらに二条に分かれて二見浦と大湊(おおみなと)から伊勢湾へそそぐ。その流域は10キロメートルにも及ぶ。
また、御手洗場付近にある「滝祭神」は、五十鈴川を守る神様を祀る社として大切に扱われています。
※滝祭神=瀧祭大神のことです。五十鈴川の「川の神様」です。
五十鈴川にかかる「宇治橋(うじばし)」は、内宮の表玄関と言われており、この橋を渡ると神域になります。
内宮の下流域には「月読宮」、「大土御祖神社(おおつちみおやじんじゃ)」、「国津御祖神社(くにつみおやじんじゃ)」、さらに「鏡宮神社(かがみのみやじんじゃ)」等があります。
神宮神田は五十鈴川があってこその「田んぼ」
伊勢市楠部町には、五十鈴川の水を引き入れて神宮で一年間にお供えするお米が作られる「神宮神田(じんぐうかんだ)」があります。
五十鈴川は源流からおよそ16kmの距離で伊勢湾の二見浦に到達しますが、全域に渡って清流と呼ばれるに相応しい素晴らしい川です。
地元民が今でも信仰する「五十鈴川の川水のご利益」
地元では、夏の土用の丑の日(うしのひ)と8月1日に、ここで水を汲んで滝祭神の神前にお供えし、お祈りしてから家に持ち帰って神棚に供えると、一年間「家内安全・無病息災(むびょうそくさい)」で過ごせるという信仰が今でも息づいています。
また、体に痛いところがあれば、この水をつけるそうです。
特に「脚気(かっけ)」には効果絶大で、今現在に至ってもこの信仰は受け継がれています。
脚気とは?
脚気とは、心不全や手足のシビレが常態化した症状ことです。
【補足その1】五十鈴川にちなんで付けられた呼称
この五十鈴川は、有名な会社や船(戦闘艦)の名前の由来になっているのをご存知ですか?
たとえば、自動車メーカーで著名な「いすゞ(ISUZU)」の名前はこの五十鈴川が由来とされ、さらに日本海軍の軽巡洋艦「五十鈴」や、海上自衛隊の護衛艦「いすず」も、この五十鈴川にちなんで命名されたようです。
【補足その2】五十鈴川と宮川
伊勢神宮を知らない方は、内宮だけが伊勢神宮だと思っておられる方もいます。
また外宮を知っている方であれば、内宮に流れている川と外宮に流れている川を混同してしまう方もおられます。
外宮を流れる川は「宮川」です。内宮を流れる川は「五十鈴川」です。
中でもとりわけ外宮の「宮川」は、江戸時代には「宮川の渡し」と呼ばれ、川岸に渡し船が設けられていた有名な川でした。
江戸時代は勝手に川を渡ると白目を向かれたので、橋か渡し船に乗って川を渡るのが半ば義務でした。
内宮のオススメ参拝ルート
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